私が自分の意思でいろんな音楽を聴き始めた十代前半の頃、まだCDはそんなに普及していなかった。
ウチでCDプレーヤーを買ったのは、たしか高校生の頃。
それ以前の音楽再生と言えば、カセットテープ7割、レコード3割って感じ。
当時住んでいた町の図書館で、一回4枚までレコードを貸してくれて、中学生の時、ほぼ週一のペースで通い続けた。
46分か50分の生カセットを大量に箱買いしておいて、借りてきたレコードを片っ端から落としていく。
ジャズだの現代音楽に興味ギンギンのガキンチョにとって、この図書館のレコードコーナーはパラダイスでした。www
置いてあるレコードは有名無難なもの以外も豊富で、ファラオ・サンダースの"Jewels Of Thought"とかセシル・テイラーの"Solo"、クラシックではメシアンの"聖霊降臨祭のミサ"など、この図書館で出会いました。
それを2〜3年続けたんだから、かなりの量の音楽を“摂取”できたと思う。
(書籍を借りた記憶は、ほとんどない。www)
こんな具合にカセットに録り貯めていった音楽を、夜な夜な試験勉強なんかのBGに流す。
(中学の時は、けっこう勉強してた。www)
(一応、お勉強のBGだから、インストものがほとんどだったな。)
(今なお、捨てずに保管してあります。)
振り返れば、この頃の音楽摂取行動?が現在の自分の音楽嗜好とか、下手すりゃ、もっと根幹的なものにも大きな影響を与えてるのかな、なんて思う。
参考書やノート相手に勉強していたことなど何にも覚えていないが、バックに流れていた音楽は、その細部に至るまで、未だに脳ミソの記憶蔵?で生きてます。
そんな十代の音楽摂取生活、CDさらにはデータ配信といった今時の音楽メディアでは起こりえない一つの現象・所作があった。
A面からB面にひっくり返すという動作。
カセットにはオートリバースという機能もあったが、それでもA→Bの間には「ガチャコン」って機械音とか、カセットの無音余白が何分も続いたりして、アルバムのA面とB面という区切りは意識させられた。
そして、この区切りは、ある一つの感覚をもたらす。
それは、「B面の1曲目」。
何て言うんだろ、軽い再起動みたいな?
ライブでいう、2ステージ目の始まり?
<自分の好きなB面の1曲目>
W.Kelly: Kelly Blue の"Willow Weep For Me"
B.Evans: Waltz For Debby の"My Romance"
K.Jarrett: Standards, vol.2 の"Never Let Me Go"
など、まだまだキリがないが、、、
ミュージシャン自身がそのアルバムの曲順構成をどこまで意図しているのかとか、クラシック作品、はたまたオペラやミュージカルなんかの楽章・幕間構成とか、むずかしい話はさておき、私は何だかこの「B面の1曲目」を意識してしまいます。
アルバムという一つの物語、始まりから終曲までの流れの中で、ちょうど真ん中くらいに起こる、ちょっとしたブランクというか混ぜ返しというか、、、
むーっと集中している脳ミソに、スッと微風が差し込む感じ?!
1曲ごとのデータ配信とかシャッフル再生なんて言っている昨今、この「B面の1曲目」なんて感覚は無くなっちゃうんだろうね。。。
(注:今時を批判した感想ではない!!)
この話、推し進めていくと、アルバムの曲順とか曲間のことにまで及びそう。
さらに言えば、、、
ま、文章下手、筆不精なので、この辺で止めます。
うまく書けてるかな?
今回のアルバム"ADORO TE DEVOTE"の曲構成でも、「B面の1曲目」を軽く意識してます。
上に掲げたような名盤の後で、こんなこと言うのはちょっと烏滸がましい気もしますが、、、
1〜5曲目までがA面、6〜9曲目がB面って感じで作りました。
Naoki Kosaka / George Ohtsuka: ADORO TE DEVOTE [tr01-05]
http://www.youtube.com/watch?v=E3xRJYpbcC4
Naoki Kosaka / George Ohtsuka: ADORO TE DEVOTE [tr06-09]
http://www.youtube.com/watch?v=hX8weVolMZ4
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NewAlbum "ADORO TE DEVOTE"
小坂直輝(piano, arr.)
ジョージ大塚(drums)
ご購入方法など、CDの詳細情報はこちらのサイトに掲載してます。
http://www.naomusic.jp/cd
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【ライブ告知】
2013. 7. 6 (土) 19:30〜
横浜・関内 FAROUT
http://www.jazz-farout.jp
小坂直輝(p)
ジョージ大塚(ds)
他
詳細は、近日アップします!!