
先の日曜日、キリスト品川教会での演奏の際、「たえなるみちしるべの」という讃美歌を取り上げた。
この讃美歌は冒頭部分がアンバランスな譜割りなのだが、歌うと自然な流れに感じる、ちょっと不思議なメロディ。
子供の頃から、妙に気になる讃美歌の一つ。
※10/4(日)キリスト品川教会での演奏の音源はこちら。
http://inthehymn.seesaa.net/article/129625610.html
そして今回、礼拝での演奏に取り上げるべくいろいろ準備していると、この讃美歌の1番の歌詞の中に、ある曲と同じような「匂い」がするのに気づいた。
その曲は、偶然にもちょっと前、ブログで書いた"Ballad Of The Sad Young Men" の歌詞。
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"讃美歌: たえなるみちしるべの" (1番の歌詞)
たえなるみちしるべの ひかりよ
家路もさだかならぬ やみ夜に
さびしくさすらう身を みちびきゆかせたまえ
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"Ballad Of The Sad Young Men" (和訳)
悲しき若者たちの歌をうたおう
ライ麦のウィスキーで一杯になったグラス
聞く知らせはいつも悪いことばかり
夢なんかにはサヨナラの口づけを・・・
悲しい若者たちはみな
酒場に居座り
ネオンの明かりに照らされながら
星空を懐かしむ
(中略)
残酷な月に見下ろされて
悲しい若者たちはみな
愛し合っているふりをする
出来損ないのお月さん
悲しい若者たちを照らしてやって
そのやさしい光で
今夜の家路をちゃんと導いてやって
すべての悲しき若者たちを・・・
※和訳前文はこちらのサイトに。
http://homepage2.nifty.com/jazzsong/Song158.html
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確かに、前者の"ひかり" と後者の"月" に関して、「たえなる」という肯定的形容表現と「残酷・出来損ない」という否定的形容表現など、違いがある。
しかし僕には、後者の否定的は、前者のような肯定的に対して拗ねているような"裏返し" であって、両者とも本質的には同じものを見据えているように思える。
もちろん、讃美歌はキリスト教信仰に根ざした歌であること、スタンダードは色恋や社会風刺・風俗などを題材とした歌がほとんどであることは踏まえつつ。
その上で、宗教的か世俗的かアプローチは違えども、どちらの曲にも"迷える子羊" への優しい眼差しを感じるのは、僕だけだろうか?
(ちょっと飛躍しすぎ?)
二度も同じ曲の歌詞を話題にしてしまいました。
(よほど気に入ってるのかな?)
今晩はあいにくの雨。
月も見えない。
台風も近付いているようだ。
しかも、かなり強力なヤツが・・・。
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piano album "IN THE HYMN, vol. 1&2" 発売中。
http://inthehymn.seesaa.net/
http://inthehymn.seesaa.net/article/107606488.html
その他のサンプル音源はこちらに。
http://www.youtube.com/inthehymn
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K.Jarrett: The Melody At Night, With You
The Immortal Hank Willams
Boz Scaggs: Speak Low